吉田の経験値が若きチームを引き締める

2021年7月24日

  ・吉田はロンドン2012以来となる3度目のオリンピック出場   ・プレミアリーグ、セリエAでの経験豊富なセンターバック   ・サムライブルーのキャプテンが日本サッカーの成長を語る

TOKYO 2020開幕戦の南アフリカ戦で、A代表でもキャプテンを務める吉田麻也が自身3度目となるオリンピック出場を果たした。 世界大会に戻ってくるのは、2018年のロシア・ワールドカップ™以来となる。フランス1998から6大会連続出場を果たしていた日本は、3度目となる決勝トーナメント進出を果たし、ベスト16でベルギーと顔を合わせている。この試合でサムライブルーは2点をリードしたものの、最後にアディショナルタイムで決勝点を許し、2-3の衝撃的な逆転負けを喫した。 当時、試合後の吉田はFIFA.comのインタビューにこう答えていた。 「後半に入って2点を決めたのに、試合をきちんと締めくくることができませんでした。メンタル面での弱さがあったのかも知れません。自信過剰だったのか、それともこの大会のこのレベルでの経験が不足していたのか、なぜこういう展開に陥ってしまったのか、自分では分かりません。我々はあまりにもナイーブで、脆かったです」 「日本サッカー協会と選手たちは、今から将来の若手育成について真剣に考えなければなりません。フィジカル的に言えば、日本と強豪の差を埋めることは出来ると思います。ただ、それが一番の課題です」

あれから3年が経った。プレミアリーグでの長年の経験を経て、現在イタリア・セリエAのサンプドリアでプレーするサムライブルーの精神的支柱は、大会前から「世界と戦うときは泥臭く」と言っていた。そして、そのリーダーシップに率いられ、日本は1-0の僅差で開幕戦勝利を収めることができた。FIFA.comのインタビューに答えた吉田は、こう試合を振り返る。 「セーフティに行き過ぎた感もあった気もしますが、ディフェンスラインは焦れずに耐えることができました。もっと早い時間に点が入れば楽になったと思いますけど、それでもオープンになったところを突けましたし、後ろの選手たちはカウンターへの対策もできていました。ただ、もっともっと良くなると思いますし、改善していきたいです」 今大会でのオリンピック日本代表は、オーバーエイジの3枠を全て使っている。来月8月に33歳となるセンターバックの吉田に加え、31歳の右サイドバック酒井宏樹(ハノーファー96、マルセイユなどでプレー、現在浦和レッズ)、28歳の守備的ミッドフィルダー、遠藤航(Vfbシュツットガルト)といった顔ぶれだ。ヨーロッパのトップリーグやサムライブルーの国際舞台で奮戦してきた経験値を若いオリンピック代表チームに還元している。その結果が、南アフリカ戦でのクリーンシートの勝利と言えるだろう。 「違いを出せるようにしたいと思っていましたし、その準備もしてきたつもりです。まだ1試合なので評価するには早いですけど、最後にオーバーエイジがいて良かったなと思われるような結果を残したいです」

ワールドカップとオリンピックという舞台の違いこそあれ、このTOKYO 2020は3年前に吉田が言っていた「将来の若手育成について真剣に考えなければなりません」という課題への一つの回答となる。初戦でフランスを4-1と圧倒したメキシコは、申し分ない相手ではないだろうか。 メキシコ戦への意気込みについて質問すると、吉田はインタビューをこう締めくくってくれた。 「多くの選手が若くしてヨーロッパに出ています。僕らがオリンピックに出ていた頃(最初の出場は北京2008)に比べれば、日本からそういう若手がどんどん増えています。もちろん、他の国も前進していますし、その前進のスピードに負けないスピードで僕らは成長しなければなりません。そのためにもこのオリンピックは非常に貴重な機会になります。(決勝までの)6試合を戦って終えたいです」